我輩は鳩である、名前は2Bちゃんと呼ばれていた。
我輩の名は、灰色の古風な呼び名“鈍色・にびいろ”から由来しているとの事であったが、本当の所、我輩のメイドが幼少の頃の我輩の動きが“鈍い”と思い込んだという非常に失敬な理由も含んでいる。
我輩は病気だったのだ、それを“動きが鈍い”など判断した、この軽率なメイドは我輩にお詫びのしるしとして、50日目以降のタイトルを“鳩の子ども”から“The Hato Note”へ変更する事、更に“鈍い”という意味の、我輩に対して無礼な名も“Nibinsky”に改名すると約束した。
にもかかわらず、今日我輩が、我輩のメイドが取り組んでいる宿題のエッセイを手伝ってやろうとパソコンのキーボートの上に降り立った際に、このメイドは相変わらず我輩を“2Bちゃん”と呼び、いや、叫び、それはそれは恐ろしい、この世の者とは思えぬ形相で我輩をキーボードから退けたのだった。博識な我輩の記憶ではハロウィーンは10月31日の筈である、鬼の面を今から被るのはいくらなんでも早すぎるのではないか。


