引越し前に撮影した写真。
ニビンスキー氏は人馴れした鳩ではなく、人間と鳩との区別に気が付いていない鳩だと思う。その証拠に引越しの空き部屋を見に来た、初対面のおばさんに飛びついて行った。そんな生意気な態度はアパートの中だけにしてほしい。
ニビンスキー氏はゲージ内でウロウロジタバタして、ずーっとゲージの内側を登る。人が見えないようにカーテンで壁面を囲うと諦めるが、不満そうにブーブー言っている。ゲージが狭くて不満なのではなくて、わたしの傍に居たいんだろう。引越し前のアパートを掃除している時、空になったベッドルームに鳩を入れて他の部屋を掃除していたら同じ行動をとっていた。ベッドルームのドアの前でずーっと垂直飛び。見に行ったら、息切れしていた。厄介な事に暴れる理由はゲージの大きさとは関係ない。頼んでいないのにトイレに行くときも付いて来たし・・・。
こんな鳩が野生に溶け込めるかわからないが、ニビンスキー氏には24時間そばに居てくれる仲間が必要で、残念ながら人間にはそれが出来ないだけだ。早く外に出したいが、まだ雪が残っているので、もう少し待つ。
うちのアパートメントの裏は駐車場になってるが、隣接するのアパートメントの駐車場とつながっていて、フェンスで区切られている。ほぼ四方を囲まれたこの駐車場に鳩が居た。
電線に30羽ほど居る。前のアパートメントの屋上にもたむろしている様子。しかも、電線にウンコの跡があるところを見る日常的にここに来ているようだ。
ニビンスキー氏の未来の家族になってもらう皆さん。
うちのニビンスキー氏と仲良くしてもらえるように、貢物を撒く。
食ってる食ってる・・・。
ちなみにわたしが撒いたのは、「特別美味しい日本産のコシヒカリ」である。数年前にルームメートが日本からこの5キログラムの米袋を担いでニューヨークにやってきたのだ。ルームメートがいざ、この特別美味しいという米を、ワックワックとはやる気持ちを抑えつつ開封した所、
「羽の生えた虫の死骸」と「米同士がくっ付いて小さい雷おこし状になったもの」が、無視できない量出て来たという。
急遽、私とオッサンが呼び出され「虫入り米」の検証に立ち会ったのだが、この「謎の雷おこし」をほぐしてコアの部分が何かを確かめる事が出来る様な猛者は、残念ながら、この3人の中には居なかった。
わたしは日本の実家に炊飯器が無いくらい米を食べないので、日本産であっても米に愛着がある筈も無くこんな米はすぐ捨てるようにと言ったのだが、米を愛する純日本人のオッサンと、5キログラムの米袋を担いで海を渡ったルームメートはわたしの意見を無視してこの「虫入り米袋」に “非常コメ” と書き、棚の奥深くに封印した。
苦し紛れの妥協策により、とりあえず米を捨てずに済んで安堵の表情の2人の横でわたしは、こんな得体の知れないものが混入した米を食わねばならない事態とは一体どんだけ非常事態なのかと不安に思ったものだ。
幸運にも非常コメを食わねばいけないような事態に見舞われる事もなく、しつこく引っ越し先に運ばれた手付かずの「非常コメ」を今、わたしの独断でニビンスキー氏の未来の家族をおびき寄せる為に使っている。鳥の餌ではないので、鳩を餌付けしているのもバレ難いだろう、もしバレたら、「毎日、“鬼は外、福は内” と言いながら米を撒くのは日本の重要な習慣です。」とだけ言っておこう。
引越しする前に撮影した写真。
アパートメント1室丸ごと独占で、嬉しいニビンスキー氏。
鳩は窓辺が好き。
雪を見るのも好き。
モサモサッ
写真を撮るために窓辺を掃除した、住んでいる時にやるべきだとは分かっていたが。